市島春城(読み)いちじましゅんじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「市島春城」の意味・わかりやすい解説

市島春城
いちじましゅんじょう
(1860―1944)

随筆家。越後(えちご)(新潟県)水原(すいばら)(現、阿賀野(あがの)市)に生まれる。本名謙吉。1881年(明治14)東京大学を中退大隈重信(おおくましげのぶ)の傘下に入り、改進党や東京専門学校(早稲田(わせだ)大学の前身)の発足に協力した。のち『読売新聞』主筆などを経て、早大の図書館長や理事を務め、高田早苗(さなえ)、坪内逍遙(しょうよう)らとともに草創期の早稲田大学を支えた。また随筆家としても知られ、『春城随筆』『春城筆語』『文墨余談』など著作は数多く、とくに文学者や政治家との交友録や典籍をめぐっての随筆が貴重である。

[大屋幸世]

『市島春城著『春城八十年の覚書』(1960・早稲田大学図書館)』

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