市島春城(読み)いちじましゅんじょう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「市島春城」の意味・わかりやすい解説

市島春城
いちじましゅんじょう
(1860―1944)

随筆家。越後(えちご)(新潟県)水原(すいばら)(現、阿賀野(あがの)市)に生まれる。本名謙吉。1881年(明治14)東京大学を中退大隈重信(おおくましげのぶ)の傘下に入り、改進党や東京専門学校(早稲田(わせだ)大学の前身)の発足に協力した。のち『読売新聞』主筆などを経て、早大の図書館長や理事を務め、高田早苗(さなえ)、坪内逍遙(しょうよう)らとともに草創期の早稲田大学を支えた。また随筆家としても知られ、『春城随筆』『春城筆語』『文墨余談』など著作は数多く、とくに文学者や政治家との交友録や典籍をめぐっての随筆が貴重である。

[大屋幸世]

『市島春城著『春城八十年の覚書』(1960・早稲田大学図書館)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 覚書

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android