市松染(読み)イチマツゾメ

デジタル大辞泉 「市松染」の意味・読み・例文・類語

いちまつ‐ぞめ【市松染(め)】

市松模様を染め出すこと。また、染め出したもの。

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精選版 日本国語大辞典 「市松染」の意味・読み・例文・類語

いちまつ‐ぞめ【市松染】

  1. 〘 名詞 〙 市松模様を染め出すこと。また、その染物
    1. [初出の実例]「往古(むかし)から有ル石畳小紋を市松染と時花(はやり)出させ給ふ」(出典:評判記・役者福寿想(1745)正月)

市松染の語誌

( 1 )初代佐野川市松(一七二二‐六二)が「塩屋判官古郷の錦」(一七四一)の楠正行を演じた時、白と紫の石畳模様の上下を着した(一説には「高野心中」の久米之介の袴とも)ところ、江戸の女性たちの間で大流行したという。
( 2 )方形が規則正しく並んだ碁盤目状の模様を、中世までは「霰」、近世以降は「石畳」と呼び、特に二色を交互に配したものを「市松染」「市松小紋」「市松形」あるいはたんに「市松」と呼ぶようになった。

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