帰り罷る(読み)カエリマカル

デジタル大辞泉 「帰り罷る」の意味・読み・例文・類語

かえり‐まか・る〔かへり‐〕【帰り罷る】

[動ラ四]
《「まかる」は、任命されて都から地方へ行く意》都から地方の任地などへ帰る。
が待つ君が事終はり―・りて」〈・四一一六〉
《「まかる」は行くの意の謙譲語》帰っていきます。
「ののしりければ、―・りて遣はしける」〈後撰・恋五・詞書

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精選版 日本国語大辞典 「帰り罷る」の意味・読み・例文・類語

かえり‐まか・るかへり‥【帰罷】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. ( 上代では、「まかる」が、貴人の意志によって進退する、命令によって都から任地、地方に行くの意で ) 都から地方の任地へ帰る。
    1. [初出の実例]「吾(あ)が待つ君が 事終はり 可敝利末可利(カヘリマカリ)て」(出典万葉集(8C後)一八・四一一六)
  3. ( 中古以降、「まかる」は、詞書や対話に用いて、聞き手に対し、話し手側の者の「行く」ことをへりくだり丁重にいう用法となる ) 「帰り行く」を丁重にいう。帰って行きます。
    1. [初出の実例]「いとしのびてまうで来たりける男を、せいしける人ありけり。ののしりければ、かへりまかりてつかはしける」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋五・九四一・詞書)

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