…その手続は久離の場合と同じであって,幕府御料か私領かの区別,武士か百姓か町人かのちがい等によって差異があったが,比較的簡単な江戸,大坂の町人の場合であっても,町奉行所に願い出てその許可を受け,帳簿に記載してもらわなければならず,私領の領民や,武士でも陪臣となると,領主や主人の許可を受けるだけでなく,幕府の三奉行それぞれに届け出て,町奉行から書替(帳簿記載の謄本)を受けなければならなかった。勘当を宥免する場合も,勘当するときと同様,主人や領主,役人等に願い出て,帳消し(帳簿記載の抹消)をしてもらわなければならなかった。正規の勘当はこのように煩雑な手続を必要としたから,地方によっては内証勘当にとどめ,正式の勘当は行わない慣習のところもあった。…
※「帳消し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」