常染色体異常(読み)じょうせんしょくたいいじょう

家庭医学館 「常染色体異常」の解説

じょうせんしょくたいいじょう【常染色体異常】

 常染色体異常の代表的なものはトリソミー症候群(同一染色体が3本ある状態)で、21トリソミー症候群(ダウン症候群)、13トリソミー症候群、18トリソミー症候群などがあげられます。
 これらの症候群の病因は、過剰なトリソミー染色体にあります。そのために、胎生たいせい)発達の異常を通じて特有の病像(びょうぞう)(病気の様態)がつくられます。もっとも基本的な点は、問題となる染色体が病像に一致して存在することです。
 トリソミーには、標準型トリソミーのほかに、転座(てんざ)型トリソミー、欠失(けっしつ)(欠損)をともなった過剰染色体による部分トリソミー、トリソミーのモザイク、ほかの常染色体または性染色体異常を合併した二重の染色体異常などがあります。
 常染色体異常は、それぞれの症候群ならびに他の常染色体異常散発例を含めても、かなり共通の臨床像(医師が観察する病気のようす)を示します(相互転座の保因者は例外)。それは、①精神発達遅滞(せいしんはったつちたい)、②外表の形態異常、骨格あるいは内臓の形態異常、③指紋(しもん)・掌紋(しょうもん)、足底紋(そくていもん)の異常などです。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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