デジタル大辞泉 「胎生」の意味・読み・例文・類語
たい‐せい【胎生】
2 植物の種子が結実後も枝についたまま発芽し、ある程度まで育ってから親株を離れること。オヒルギ・メヒルギなどにみられる。
[類語]卵生・卵胎生
翻訳|viviparity
動物の生殖の1型式。雌が体内で卵子を受精させ,ある程度,胚発生が進むまで体内に保持し,孵化(ふか)を終えてから体外に胚を放出することをいう。したがって産み出された胚は親の形に近い子の形となっている。鳥類や爬虫類は卵を産むので卵生ということになるが,厳密にいうと,この卵は体内で受精され,ある程度発生が進行した胚である。したがってこれらの動物は,未受精卵を産み体外受精を行う両生類や魚類におけるような真の意味の卵生とは異なり,むしろ広義の胎生の中に含めるべきであろう。哺乳類のように,胚が発達していくに際して,胎盤という特別な構造を通して,母体から栄養の補給を受けている形式を狭義の胎生という。一方,酸素や二酸化炭素の交換は別として,胚発生に必要な栄養を母体にたよらず,もっぱら卵黄によっているような場合を卵胎生といって,狭義の胎生と区別する。多くの魚類は卵生であるが,なかには胎生もしくは卵胎生の種類もあり,ことに軟骨魚類に多い。例えばウミタナゴでは卵巣の壁の一部がひだ状に突出し,胎盤の役割を果たしている。一方,卵巣腔中にいる胚の方も発生の一時期にひじょうに大きなひれを発達させ,この表面から栄養を吸収しているらしい。シーラカンスも胎生魚である。子を口に含んで育てるマウスブリーダーのような魚や,背中の皮膚に凹所をつくり,そこで卵を孵化させるコモリガエルなども特殊な形式に分化した広義の胎生の一種であるといえよう。
執筆者:石居 進
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
一般に体内受精をする動物で、受精した卵が母体内にとどまり、母体と組織的連絡を保ち栄養の供給を受けながら胚(はい)として発育し、成体と同じような体形となって生まれてくる場合をいう。脊椎(せきつい)動物のうち水中生活の動物は普通体外受精をし、その卵や胚は乾燥とか温度の急激な変化から守られて発生できるが、陸上生活をするようになった爬虫(はちゅう)類や鳥類は体内受精をし産卵する。この卵の表面には殻があり、中には羊膜をもち乾燥に耐えられ、発生に必要な栄養を蓄えた多量の卵黄をもっている。しかし哺乳(ほにゅう)類では、その卵は顕微鏡的な小さなもので、初期の発生に必要な栄養の供給ができるぐらいの卵黄しかもたない。そこで妊娠という方法が進化し、受精した卵は輸卵管の一部が変化して生じた子宮内にとどまり、その壁に着床して胚発生をする。胚と母体の組織は胎盤といわれる組織を形成し、それを介して母体から栄養の補給を受け、また老廃物の排出も行う。哺乳類のうちでも原始的な単孔類(カモノハシ、ハリモグラなど)はまだ卵生であり、また哺乳類の祖先型といわれる有袋類(フクロネズミ、カンガルーなど)では胎盤が発達せず、胚に近い未熟な子が産み出され、母体の育児嚢(のう)の中で育てられる。胎生はかならずしも哺乳類だけに限らず、板鰓(ばんさい)類に属するホシザメの一種は、胚の卵黄嚢が子宮壁と連結し胎盤を形成する胎生である。
またある種の植物(マングローブの類)でも種が母体から脱落せず、発芽し幼植物となる場合は、その種子を胎生種子という。
[守 隆夫]
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