平和問題懇談会(読み)へいわもんだいこんだんかい

改訂新版 世界大百科事典 「平和問題懇談会」の意味・わかりやすい解説

平和問題懇談会 (へいわもんだいこんだんかい)

1950年4月15日,東京上野の日本学術会議講堂に参集声明〈全科学者に訴える〉の賛同者によって組織された科学者平和問題懇談会のこと。この会合には,学術会議会員の出隆,末川博,上原専禄らの呼びかけで研究者135名が集い,〈戦争反対〉〈軍事基地提供反対〉〈学問思想の自由擁護〉等を内容とする声明には会合に参加できなかった全国90名の研究者も賛同した。この時期,著名な学者が平和問題談話会をつくり意見を発表していたが,懇談会には広範な研究者が参加し,第2回総会は同年6月4日に東京駿河台の文化学院講堂で開かれ,大内兵衛,戒能通孝らが講演,200余名の参会者は〈全連合国による講和の促進〉等の意見をまとめた。さらに朝鮮戦争勃発後に第3回総会を行い,〈あじあにおける平和のあり方〉について仁井田陞今中次麿草野信男が報告,参会者は〈思想と言論の自由に関する声明書〉を発表した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android