平湯街道
ひらゆかいどう
高山から信州に向かう道の一。高山から信州松本への山道には、小八賀川谷をさかのぼって平湯(現吉城郡上宝村)を経て国境安房峠(標高一八一一メートル)を越え、梓川谷を下って松本に出る道と、高原川をのぼり支流の蒲田川に沿って中尾峠(二一五〇メートル)を越え、梓川谷に入る道とがあった。安房峠越の道は平湯街道ともいい、高山陣屋前を起点とする。天保年間(一八三〇―四四)の「平湯入湯記」によれば、大雄寺町・松之木、まこも峠・町方・坊方・角野坂・大谷・瓜田・根方・白井・芦谷・日面・駄吉・塩屋・旗鉾・久手(現大野郡丹生川村)から平湯に向かった。信州側は大野川(現長野県南安曇郡安曇村)、角ヶ平・入山(現同郡奈川村)、稲
(現安曇村)、松本に至る道筋で全長二五里半(信府統記)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 