精選版 日本国語大辞典「山道」の解説
やま‐みち【山道】
〘名〙
※万葉(8C後)七・一二六一「山守りの里へ通ひし山道(やまみち)そ茂くなりける忘れけらしも」
② 仏道修行のために山里の寺などにはいる道。仏道修行に赴く道。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「そむきにしこの世に残る心こそ入る山みちのほだしなりけれ」
③ 模様の一つ。ジグザグ模様をいう。やまみちがしら。
※甲陽軍鑑(17C初)品一七「旗白地黒山道(やまミチ)」
④ 女の衣服の裾などの取り方の一つ。裾の裏地を表に出して、山道形(波形)に縫ったもの。
※評判記・色道大鏡(1678)二「すそは、山道(ヤマミチ)、つかみ染・端とり、品々仕立あり」
せん‐どう ‥ダウ【山道】
(「せん」は「山」の呉音)
[1] 〘名〙 内陸部を通る道。さんどう。
※続日本紀‐天平九年(737)四月戊午「差二帰服狄和我君計安塁一、遣二山道一」
[2] 東山道(とうさんどう)の略称。さんどう。
※吾妻鏡‐文治元年(1185)一〇月二九日「経二山道一可レ参二会于近江美濃等所々一之由」
※随筆・折たく柴の記(1716頃)中「海道往来の貴賤、多くは山道(センダウ)をすぎぬれば、海道の宿々は産業をうしなひ」
さん‐どう ‥ダウ【山道】
[1] 〘名〙 山の中を通っている道。また、内陸部を通る道。せんどう。〔広益熟字典(1874)〕 〔漢書‐西域〕
[2] 東山道(とうさんどう)のこと。せんどう。
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