幽玄体(読み)ゆうげんてい

精選版 日本国語大辞典「幽玄体」の解説

ゆうげん‐てい イウゲン‥【幽玄体】

〘名〙 歌論で、幽玄のおもむきを備えた和歌に対して用いられた語。言外に奥深い情趣・余情のある歌体をさす。後には、優雅で柔和な美しさをもった歌体をさしてもいう。幽玄様。ゆうげんたい。
※三五記(14C初か)鷺本「幽玄体〈略〉今の体に幽玄と申すは、惣じて歌の心詞かすかにただならぬ様なり」

ゆうげん‐たい イウゲン‥【幽玄体】

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デジタル大辞泉「幽玄体」の解説

ゆうげん‐たい〔イウゲン‐〕【幽玄体】

言外に奥深い情趣・余情のある歌体。幽玄様。

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世界大百科事典内の幽玄体の言及

【古来風体抄】より

…《万葉集》から《千載集》までの歌風の変遷を,鑑賞的に歌を批評しつつたどり,《古今集》の歌を本体とすべきことを力説。また,〈幽玄体〉を提唱し,天台宗の止観からの影響をうかがわせるなどの点に特色を有する。【赤瀬 知子】。…

【藤原俊成】より

…俊成はここで天台止観によそえて和歌の変遷を内観し(最初の和歌史観),浮言綺語(ふげんきぎよ)の和歌が仏法悟得の機縁たりうるという新価値観(狂言綺語観)を提示し,さらに《古今集》を歌の本体と仰ぐ伝統観(古典の定立)を述べる。俊成の新風は広義の幽玄体といわれ,幻想的な詩趣と優美な声調の調和の中に,陰翳(いんえい)のふかい耽美的情念を流露させ,抒情の世界に余情の新領域をひらいた。自讃歌〈夕されば野辺の秋風身にしみて鶉啼くなり深草の里〉(《千載集》巻四)は著名。…

※「幽玄体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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