庭妹郷
にわせごう
「和名抄」東急本は「庭妹」と書いて「尓比世」と読み、高山寺本は「庭
」と書いて「迩波世」と読む。天平一一年(七三九)備中国大税負死亡人帳(正倉院文書)には「庭瀬郷」とあり、三宅里の戸主忍海漢部真麻呂が二二束、山埼里の戸主忍海漢部得嶋の戸口忍海漢部麻呂が三〇束の大税を借りて死亡したと記す。当郷に忍海漢部を称する渡来系集団の存在したことを示す。正確な郷域は不明であるが、現岡山市庭瀬・川入・吉備津・川尻を含む地域で南東部は境目川を隔てて備前国に接していたと考えられている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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