延徳版(読み)エントクバン

デジタル大辞泉 「延徳版」の意味・読み・例文・類語

えんとく‐ばん【延徳版】

延徳4年(1492)薩摩で出版された「大学章句」の再刊本。日本最初の漢籍新注として有名。文明13年(1481)刊行の原刻本は現存しない。

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精選版 日本国語大辞典 「延徳版」の意味・読み・例文・類語

えんとく‐ばん【延徳版】

  1. 〘 名詞 〙 延徳四年(一四九二薩摩国鹿児島県)において刊行した「大学章句」をいう。延徳版大学章句。文明一〇年(一四七八桂庵玄樹(けいあんげんじゅ)島津忠昌に迎えられて、薩南の地に「朱子」の新注の学が盛んとなり、同一三年家老伊地知重貞が「大学章句」を出版したが、その原刻本は現存せず、延徳四年、桂庵旧居、桂樹院において再刊されたものが残っている。日本最初の漢籍新注として学問的価値が高い。

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世界大百科事典(旧版)内の延徳版の言及

【五山版】より

…五山版の特徴は,仏典以外の図書の印行にあり,国書開版の糸口を開いたことにあるが,装丁様式にも変化を加え,従来の巻子(かんす)本,折本,粘葉(でつちよう)本のほかに袋綴(ふくろとじ)本(ふつうの和本の形式)があらわれ,しかも,その大部分をしめるようになったことである。なお,開版時の年号,または開版者の名を冠して,〈延徳版〉〈大永版〉〈師直(もろなお)版〉などと呼ぶものもある。【庄司 浅水】。…

※「延徳版」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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