朱子(読み)しゅし(英語表記)Zhu-zi

精選版 日本国語大辞典 「朱子」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐し【朱子】

中国、南宋儒者。名は熹(き)。字(あざな)元晦・仲晦。号は晦庵・晦翁・雲谷老人など。福建尤渓の人。宋学の大成者。その学は、宋の周敦頤(しゅうとんい)程顥(ていこう)程頤張載李侗(りとう)らの学と道、仏の学を総合大成したもの。宇宙には理と気の二元があるとし、その実践綱目として居敬・窮理の二大綱を提挙した。日本には鎌倉末期に僧の寧一山、玄恵によってもたらされ、江戸時代に藤原惺窩、林羅山の活躍によって幕府の御用学となった。主著に「近思録」「資治通鑑綱目」「四書集注」「朱子語類」など。(一一三〇‐一二〇〇)→朱子学

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デジタル大辞泉 「朱子」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐し【朱子】

朱熹しゅき尊称

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「朱子」の意味・わかりやすい解説

朱子
しゅし
Zhu-zi

[生]建炎4(1130).9.15. 福建,尤渓
[没]慶元6(1200).3.9. 建陽
中国,南宋の儒学者。宋以降の中国,日本の思想界に圧倒的な影響を及ぼした。名は熹。字は元晦,仲晦。号は晦庵,晦翁など。徽州ぶ源の人。地方官としての治績にもみるべきものがあるが,本領はあくまでも壮大な理気の説を基にしたその思想にある。朱子は程 顥程頤張載などの北宋道学を集大成し,宇宙論,人性論,道徳論のすべての領域をおおう理気の思想を完成させた。膨大な著作のうちおもなものは,『四書集註』 (19巻) ,『周易本義』 (10巻) ,『詩集伝』 (20巻) など。また『朱子文集』 (100巻,続集 11巻,別集 10巻) ,『朱子語類』 (140巻) がある。

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占い用語集 「朱子」の解説

朱子

中国南宋時代に朱子学を確立した人物、「朱熹」の敬称。易に大きな影響を与え、その代表的著作としては「周易本義」が有名である。政敵からの迫害にあった際に易を立て、結果、隠遁生活の中で弟子育成に努めた晩年の逸話は有名である。

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改訂新版 世界大百科事典 「朱子」の意味・わかりやすい解説

朱子 (しゅし)
Zhū zǐ

朱熹(しゅき)

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百科事典マイペディア 「朱子」の意味・わかりやすい解説

朱子【しゅし】

朱熹

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367日誕生日大事典 「朱子」の解説

朱子 (しゅし)

生年月日:1130年9月15日
中国,南宋の学者,官僚,思想家
1200年没

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「朱子」の解説

朱子(しゅし)

朱熹(しゅき)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「朱子」の意味・わかりやすい解説

朱子
しゅし

朱熹

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旺文社世界史事典 三訂版 「朱子」の解説

朱子
しゅし

朱 熹 (しゆき)

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世界大百科事典(旧版)内の朱子の言及

【朱熹】より

…中国,南宋時代の思想家。いわゆる朱子学の大成者。朱子はその尊称。…

【宋】より

…その学説は張載,程顥(ていこう),程頤(ていい)に受け継がれ,南宋の朱熹(子)にいたって大成された。宇宙生成の原理や人間の本性を究明する学問なので性理学,理学などといい,あるいは朱子学,程朱学,道学,宋学などとさまざまによばれる。朱子の生前,道学は偽学として迫害をうけたが,彼の死後,多くの学者に継承されて儒学の正統の地位を占めるようになり,明代には官学として大いに興隆し,朝鮮や日本の学術思想にも影響を及ぼした。…

【孟子】より

…諸子の一人にすぎなかった《孟子》を経書にまで昇格させたのは宋儒である。宋の朱子が《孟子》を《論語》と並べ,《大学》《中庸》の2編と合わせて〈四書〉と称して,尊重したことによる。 孟子の仁や孝弟を重んずる道徳思想は,基本的には,孔子と立場を同じくする。…

【礼】より

…中国で礼といえば,日常の礼儀作法にとどまらず,冠婚葬祭の通過儀礼はもとより,家,地域社会,学校,朝廷といった場における作法や式次第も包括する。特定の時と場にふさわしい,対他的な身体行動を規範化したもの,といえるだろう。のみならず,こうした個人の身体行動を超えて,国家を維持し運営してゆくためのシステムの総体もまた,礼の名で呼ばれた。《周礼(しゆらい)》は《儀礼(ぎらい)》《礼記(らいき)》とならぶ〈三礼(さんらい)〉の一つであるが,この古典的礼書には,宇宙の秩序になぞらえて官僚制度や文物典章が整然と記述されている。…

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