引っ提げる(読み)ヒッサゲル

デジタル大辞泉 「引っ提げる」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐さ・げる【引っ提げる/引っ下げる】

[動ガ下一][文]ひっさ・ぐ[ガ下二]
大きなもの、目立つものなどを手にさげて持つ。「大荷物を―・げて出発する」
引き連れる。伴う。「取り巻き連を―・げて現れる」
行動に出るに当たって、有力なよりどころとしてかかげる。「新曲を―・げて舞台に立つ」「年金問題を―・げて選挙に打って出る」
無理を押して動かす。「老体を―・げて任を果たす」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引っ提げる」の意味・読み・例文・類語

ひっ‐さ・げる【引下・引提】

  1. 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
    [ 文語形 ]ひっさ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙
  2. 大きな物、目立つ物などを手にさげて持つ。たずさえる。携帯する。
    1. [初出の実例]「漢高祖は三尺の剣を提(ヒッサゲ)天下を治しかども」(出典:高野本平家(13C前)三)
  3. かかげる。提示する。
    1. [初出の実例]「この編を終るに臨み、要領を提(ヒッサ)ぐべし」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一)
  4. ひきつれる。ともなう。つれる。
    1. [初出の実例]「佳人を挈(ヒッサ)げて逍遙するも」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八)
  5. 事を行なうのに、力になるものとしてかかげる。また、新しいものをはなばなしくかかげる。
    1. [初出の実例]「ゾラが〈略〉『ルウゴン・マッカアル叢書』をひっさげて、登場していった」(出典:前期自然主義文学(1949)〈瀬沼茂樹〉二)
  6. ( 「体を━」などの形で ) 無理を押して事に当たる。ひきずる。
    1. [初出の実例]「病躯を提(ヒッサ)げながら〈略〉今日まで巴里に足を駐めて居たのであるが」(出典:ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉巴里のわかれ)

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