ひっ‐さ・げる【引下・引提】
- 〘 他動詞 ガ下一段活用 〙
[ 文語形 ]ひっさ・ぐ 〘 他動詞 ガ下二段活用 〙 - ① 大きな物、目立つ物などを手にさげて持つ。たずさえる。携帯する。
- [初出の実例]「漢高祖は三尺の剣を提(ヒッサゲ)て天下を治しかども」(出典:高野本平家(13C前)三)
- ② かかげる。提示する。
- [初出の実例]「この編を終るに臨み、要領を提(ヒッサ)ぐべし」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一一)
- ③ ひきつれる。ともなう。つれる。
- [初出の実例]「佳人を挈(ヒッサ)げて逍遙するも」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八)
- ④ 事を行なうのに、力になるものとしてかかげる。また、新しいものをはなばなしくかかげる。
- [初出の実例]「ゾラが〈略〉『ルウゴン・マッカアル叢書』をひっさげて、登場していった」(出典:前期自然主義文学(1949)〈瀬沼茂樹〉二)
- ⑤ ( 「体を━」などの形で ) 無理を押して事に当たる。ひきずる。
- [初出の実例]「病躯を提(ヒッサ)げながら〈略〉今日まで巴里に足を駐めて居たのであるが」(出典:ふらんす物語(1909)〈永井荷風〉巴里のわかれ)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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