デジタル大辞泉 「引き折る」の意味・読み・例文・類語 ひき‐お・る〔‐をる〕【引き折る】 [動ラ四]1 たわむほど強く引く。「夕潮に楫かぢ―・り」〈万・四三三一〉2 折って二重にする。裾などを折って上げる。はしょる。「衣一つばかりを―・りて」〈今昔・二九・二八〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「引き折る」の意味・読み・例文・類語 ひき‐お・る‥をる【引折】 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙① 折れるほど強く引く。楫(かじ)が折れるほど強く引きつけて漕ぐ。ひきたわめる。[初出の実例]「朝凪に 水手(かこ)整へ 夕潮に 楫比伎乎里(ヒキヲリ) 率(あども)ひて 漕ぎゆく君は」(出典:万葉集(8C後)二〇・四三三一)② 二つに折る。折って二重にする。また、引きよせて折る。[初出の実例]「結緒切て、ふたへにひきをりて」(出典:殿暦‐長治二年(1105)正月二六日)③ 着物を折って、頭からかぶる。[初出の実例]「中将泣々く起て衣一つ許を引折て、竊(ひそか)に其の教へつる遣戸を出て」(出典:今昔物語集(1120頃か)二九) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例