弥彦庄(読み)やひこのしよう

日本歴史地名大系 「弥彦庄」の解説

弥彦庄
やひこのしよう

弥彦神社の神領を多く含んで、現弥彦村のほぼ全域と岩室いわむろ村・まき町の大部分、および吉田よしだ町の一部に展開していた庄園。

大治四年(一一二九)二月一五日の日付をもつ大方広仏華厳経巻一九奥書(宮城県名取市名取新宮寺蔵)に「弥彦御庄下条 願主僧俊厳」とある。下条は古く「ゲジョマキ」とよばれた巻(現巻町)付近と考えられる(巻村史話)。一二世紀後半、徳大寺実能の孫皇后宮権大夫藤原実守によって国上こくじよう(現分水町)へ寄進されたと推定される(「吉続記」正安三年一二月一日条)。「吾妻鏡」文治二年(一一八六)三月一二日条に載せる乃貢未済庄々注文に「二位大納言家領弥彦庄」とみえる。領家の二位大納言を池大納言平頼盛とする説があるが、頼盛は前年出家していることなどから、誰であるかは特定できない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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