はり‐あい‥あひ【張合】
- 〘 名詞 〙
- ① 張り合うこと。互いにせり合うこと。意地を出し合うこと。せりあい。競争。
- [初出の実例]「うちあひはりあひしけるほどに、目代師経が秘蔵しける馬の足をぞうちをりける」(出典:平家物語(13C前)一)
- 「女を中においてのハリアヒか」(出典:彼女とゴミ箱(1931)〈一瀬直行〉似顔かきY)
- ② 努力しようとする気持に対して、てごたえがあること。かいがあること。
- [初出の実例]「万事かなはぬ所をかなへんとおもふ心が、はりあひになりてこそ味(あじわひ)もあれ」(出典:仮名草子・大仏物語(1642)下)
- 「お前の為にどんな苦労をしても〈略〉張合があると思ってゐるのさ」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉七二)
- ③ その時のはずみ。なりゆき。
- [初出の実例]「つい今のどさくさの時に、分ける張合ひで、こなたがそこへ躓いたものよ」(出典:歌舞伎・絵本合法衢(1810)序幕)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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