精選版 日本国語大辞典「意地」の解説
い‐じ ‥ヂ【意地】
〘名〙
① 仏語。心のはたらきのうちの第六の意識。また、そのはたらきをなす器官としての意根。
※一遍上人語録(1763)下「衆生の意地をきらひすつるなり。三毒は三業の中には意地具足の煩悩なり」 〔倶舎論‐一〇〕
② 気だて。気性。
※玉塵抄(1563)一五「いぢがすねこわばりて、人なみなみにない者あるぞ」
③ 自分の主張や行動をおし通そうとする心。いこじ。がんこ。
※岩瀬本大鏡(12C前)三「心いぢにておはせし殿にて」
※李陵(1943)〈中島敦〉三「想像を絶した困苦・欠乏・酷寒・孤独〈略〉を平然と笑殺して行かせるものが意地だとすれば」
④ 物欲。食欲。→意地汚い。
⑤ 創作する時の心の働き。創作をする時の心の使い方。
※九州問答(1376)「意地は強く詞柔かなるべし。当時の人常にするは、意地は弱く詞は強し」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報