最新 地学事典 「強度断面」の解説
きょうどだんめん
強度断面
strength profile
岩石の強度を地球内部の深さ方向の変化として表現した図。通常はリソスフェアとアセノスフェア上部について描かれることが多く,プレートの厚さと内部構造などを推定する際に便利。P.Bird(1978), W.F.Brace et al.(1980)は,地球内部を脆性破壊が卓越する脆性領域と高温塑性流動が卓越する塑性流動領域に二分し,摩擦強度と累乗流動則を用いて強度断面を描いた。その結果,大陸性プレートは脆性的で変形しにくい上部地殻・流動的な下部地殻・強度の大きい最上部マントルからなる三層構造をもつこと,日本列島のような大陸性島弧プレートは上・中部地殻のみからなる非常に薄いプレートであること,などが示された。このような単純な強度断面はプレートの輪郭を浮彫りにすることができたが,リソスフェアの強度が実験室で決められた摩擦強度ほど大きいかどうかについては議論があり,リソスフェアのレオロジーにおける重要な未解決問題になっている。
執筆者:嶋本 利彦
参照項目:地殻応力問題
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

