破壊強度(読み)ハカイキョウド

化学辞典 第2版 「破壊強度」の解説

破壊強度
ハカイキョウド
breaking strength

材料が破壊するときの極限強度のこと.外部から加える応力により,引張強さ(延伸破壊),圧縮強さ(圧縮破壊),せん断強さ(せん断破壊)などとよぶ.破壊するときに,ほとんど塑性変形せずに急激に破壊することを脆性破壊とよぶ.温度が低いとき,衝撃的な力や内部欠陥がある場合には,脆性破壊が起こりやすい.へき開破壊,粒界破壊などは典型的な脆性破壊であり,金属における水素脆性は外部からの衝撃力がなくても徐々に破壊していく場合である.材料の変形において,ある伸びに達すると破断する場合を延性破壊といい,破断までの伸びを破断伸度とよぶ.破断伸度が小さく脆性破壊を起こす場合をブリトル,伸度が大きく延性破壊を起こす場合をダクタイルとよぶ.材料が破壊するのに必要なエネルギーの大きさを靱性とよんでいる.[別用語参照]グリフィスの式

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の破壊強度の言及

【破壊】より

…固体材料が,外力の作用のもとに二つ,またはそれ以上の部分に分離する現象をいう。このときの応力(単位断面積当りの荷重),すなわち破壊応力を破壊強さ,または破壊強度という。とくに平滑材料を引張り,あるいは曲げ変形した場合の破壊強さを,それぞれ引張強さ,曲げ強さと呼び,破壊を取り扱うもっとも基本的な値となる。…

※「破壊強度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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