最新 地学事典 「弾性反発説」の解説
だんせいはんぱつせつ
弾性反発説
elastic-rebound theory
カリフォルニア地震(1906)のとき,サンアンドレアス断層付近に生じた土地の水平移動量を説明するために提出されたH.F.Reidの説。彼は一般の構造地震の発生に関して次の5項目を挙げ,これを弾性反発説と呼んだ。地震の根本の原因に立ち入るものではなく,その起り方を説明するもの。1)構造地震を引き起こす岩石の破壊は地殻の相隣る部分の相互変位によって生成される弾性歪みが,岩石の強度の耐えうる以上に大となる結果である。2)これらの相互変位は破壊時に急激に生成されるのではなくて,多少とも長期間にしだいにその最大値に達する。3)地震時に生ずる質量の運動は破壊面の両側が歪みのない位置へ向かう急激な弾性的反発だけである。これらの運動は破壊からたった数kmの距離にしか及ばない。4)地震動は破壊面に発生し,地震動が生ずる面の面積は最初は非常に小であるが,岩石中の疎密波の速度よりは小さい拡大速度で,急速に大になる。5)地震時に解放されるエネルギーは破壊直前には岩石の歪みエネルギーの形で存在したものである。参考文献:H.F.Reid(1911) Univ. Calif. Publ. Dept. Geol.,Vol.6
執筆者:丸山 卓男
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

