形木(読み)カタギ

デジタル大辞泉 「形木」の意味・読み・例文・類語

かた‐ぎ【形木/模】

物の形を彫った板。その模様を紙やきれに刷って染め付けるのに用いる。
版木はんぎ」に同じ。
手本規範。型。
稽古けいこすべき―もなし」〈花伝・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「形木」の意味・読み・例文・類語

かた‐ぎ【形木】

〘名〙 (「かたき」とも。「型の木」の意)
① 物の形を彫りつけた板。布にすりつけて、その模様を染め出す時などに用いる。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「赤きしらつるばみの、ぢんずりの摺草の色に糸を染めて、かたきの紋を織りつけたるみ狩の御衣
② 文字を彫りつけた板。紙にすりつけて印刷する時に用いる。板木(はんぎ)
吾妻鏡‐寛元二年(1244)六月四日「被写法華経百部、此形木即所彼宸筆也」
③ 手本や基準となるもの。模範。基本形。
霊異記(810‐824)中「此の事は季の葉の楷模(カタキ)に報(つく)る可しとおもふが故に、同じ年の六月一日を以て、諸人に伝へき〈国会図書館本訓釈 楷摸 二合加太岐〉」

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世界大百科事典(旧版)内の形木の言及

【型】より

… 変質した型についてその性格を明示した最初の人は猿楽の世阿弥であった。〈形木(かたぎ)〉という語を用いて,〈ヲヨソ,音曲ニモ,筋ハ定マレル形木,曲ハ上手ノモノ也。舞ニモ,手ハ習ヘル形木,品カカリハ上手ノ物ナリ〉(《風姿花伝》第七・別紙口伝)といっている。…

【板木】より

…木版印刷を行うために文字や図様を彫刻した板。〈版木〉とも書き,彫板(えりいた),形木(かたぎ)ともいう。木版印刷用の版には板木を用いるものと,木活字を用いるものとがあるが,前者を整版,後者を活版(活字版)と称する。…

※「形木」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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