影を落とす(読み)カゲヲオトス

デジタル大辞泉 「影を落とす」の意味・読み・例文・類語

かげと・す

光がさす。「夕日が―・している」
光のくる向きと反対側に影を映す。「湖面に雲が―・す」
影響を与える。「後世の芸術作品に―・す」「つらい体験が心に―・す」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「影を落とす」の意味・読み・例文・類語

かげ【影】 を 落(お)とす

  1. 光を投げかける。光がさしている。「夕日が影を落としていた」
  2. 光を受けた物が、その影法師を他の物の上に現わす。
    1. [初出の実例]「コバルトの空には玉子色の綿雲が流れて、遠景の広野の果の丘陵に紫の影を落す」(出典:森の絵(1907)〈寺田寅彦〉)
  3. あるものの影響が意識されてではなく、他のものの上にあらわれる。暗いイメージをいうことが多い。
    1. [初出の実例]「ほかの人間達が、ぼく等の友情のなかに、影を落して来だしたことです」(出典:オリンポスの果実(1940)〈田中英光〉六)
  4. 料理で、汁物や漬物しょうゆを少しさすこと。
    1. [初出の実例]「かげをおとすとは、すましにたまりをすこしさす事也」(出典:料理物語(1643)八)

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