最新 地学事典 「律速過程」の解説
りっそくかてい
律速過程
(1)rate-controlling proc-ess
複数の過程が一つの変形機構を構成している場合,最も速度の遅い過程が変形を律速することになり,その過程を律速過程と呼ぶ。例えば,転位クリープが生じるためには,転位のすべり面上の移動に加えて,転位の上昇などの回復過程が必要となるが,原子拡散による回復過程は一般に転位すべりよりも遅いので,回復過程が転位クリープを律速することになる。ほかにも,溶解,溶液中の溶質の移動および沈殿などの複数の過程からなる圧力溶-解沈殿クリープ(solution-precipitation creep)などにおいて,律速過程の解明は重要である。
執筆者:竹下 徹
(2) rate-determining step(of crystal)
結晶成長過程で最大の活性化エネルギーをもち,結晶成長速度を決めている過程。溶液中の結晶化において,成長ユニットが結晶に取り込まれるまでには,バルク溶液から結晶表面までの成長ユニットの拡散過程,結晶表面を覆っている水和層の脱水過程,テラス上での拡散過程,キンクで成長ユニットが方位を合わせる取り込み過程などがある。例えば,溶液濃度が低い,または粘性が大きく結晶表面への成長ユニットの到達量が少ない場合を拡散律速,溶液濃度を高めて駆動力を大きくしても成長速度が大きくならない場合を取り込み律速という。
執筆者:木村 勇気
参照項目:拡散律速
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

