後潟開作(読み)うしろがたかいさく

日本歴史地名大系 「後潟開作」の解説

後潟開作
うしろがたかいさく

[現在地名]小野田市大字西高泊にしたかとまり

厚狭あさ川の河口部の湾曲した海浜を、江戸時代、北の後潟上うしろがたかみから南の黒葉山くろばやままでの間に堤をつくり干拓した地。東は西高泊、西は厚狭川を挟んで末益すえます(現厚狭郡山陽町)と向かいあう。萩藩領で舟木宰判に属する。

「注進案」によれば、後潟とは高泊村の後ろの干潟に由来し、また清堂せいどう寺という廃寺名から清堂寺開作ともいい、「宝暦二年壬申年開作地に応じたりとて御築立成就」と記す。また兼常氏家譜に

<資料は省略されています>

とあるので、この地の開作の権利が毛利氏一門の厚狭・阿川両毛利氏に与えられていたことがわかる。だが実際は全村阿川毛利氏の給領地で、築立当初は隣の藩営高泊開作とちがって灌漑施設がなかったが、宝暦七年(一七五七)になって西高泊村の長尾ながお・すもものえき・あさ向本浴むかいほんえきの三ヵ所に溜池を築造することを萩藩に願い出ている(宰判本控)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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