溜池(読み)ためいけ

百科事典マイペディアの解説

溜池【ためいけ】

灌漑(かんがい)用の貯水池降雨量や河川の少ない地域で梅雨期の降水をたくわえ水稲耕作に利用する。全国では20%近くの水田が水源を溜池に求め,古くから稲作の発展した瀬戸内海沿岸や奈良県には特に多い。香川県では約70%の水田が溜池にたよっており,満濃池(まんのういけ)は日本最大の溜池として有名。

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世界大百科事典 第2版の解説

ためいけ【溜池】

降雨を農地の灌漑用水として貯水するための人工の池。降雨量や河水が少ない地域,または地下水位が低かったり河水を引きがたい地域に多く見られる。日本では現在は全国に分布しているが,関東以西,とくに讃岐平野,奈良盆地,大阪平野播磨平野などに多く分布している。溜池は比較的容易に構築できるので古くから築造され,エジプトのファイユームにあるメリス湖は,約4000年前に造られたといわれる。溜池には大きく分けて,丘陵や台地中の山地型のものと,平地型のものとがあり,前者は集水しやすい谷底平野中に多く位置し,後者は取水量が少ないので河川からの水路や他の溜池と結ばれることが多く,皿池と呼ばれる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ため‐いけ【溜池】

[1] 用水を溜めておく人工の池。また比喩的に、物事が集まりたまっている所。
俳諧・玉海集(1656)一「ため池は柳の糸のをごけ哉」
[2]
[一] 東京都港区赤坂低地にあった池。江戸初期まで飲料水(溜池上水)として利用されたが、玉川上水の完成により埋め立てがはじまり、明治初期には完全に陸地化した。ひょうたん堀。大溜。
[二] 東京都港区赤坂一・二丁目にあった地名。交差点名、地下鉄名などに残る。旧赤坂溜池町。

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世界大百科事典内の溜池の言及

【池守】より

…溜池の維持管理にあたる役職者。井守,池司,池奉行などともいう。…

【灌漑】より

…このような河川水依存は日本の灌漑面積の88%に達する。その他は溜池や地下水利用などによっている。水源から灌漑地区まで水路によって送水され,地区内では需要に応じた配水がされる。…

【田】より

…初期の前方後円墳が尾根の先端に作られたとき,その側谷には古来の谷田が開かれていたと思われる。その谷奥に土堰堤を築いて溜池を作れば,谷口の用水は豊富になり,稲作は安定する。その余水を使って谷外の平たん部に田を開くことも可能になる。…

【貯水池】より

…山間部などで,ダムで河川の水をせき止めてつくられる。小規模なものを溜池という。渇水時に上水道用,農業用または発電用に水を補給するためのものであるが,近年は洪水調節を目的に含む貯水池がつくられており,洪水期には貯水池の水位を下げておき,洪水を貯留することによって下流の洪水被害を軽減するとともに,水利用にも役だてようとしたものがある。…

※「溜池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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