後頭蓋窩血腫(読み)こうとうがいかけっしゅ(英語表記)posterior fossa hematoma

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「後頭蓋窩血腫」の意味・わかりやすい解説

後頭蓋窩血腫
こうとうがいかけっしゅ
posterior fossa hematoma

テント (天幕) 下血腫ともいう。後頭蓋窩,すなわち小脳テント (天幕) より下部の頭蓋内の構造物に発生した血腫で,硬膜外,硬膜下,小脳内血腫を含む。外傷が原因の場合,早期に意識喪失や項部硬直,嘔吐が起る。小脳症状はまったく起らないこともある。この状態は非常に進行が速く,脳外科手術を行なっても救命率が低い。高血圧が原因で小脳内に血腫が生じる場合は,急速に進行する頭痛,項部硬直と小脳症状,脳幹部圧迫症状などが生じる。病状は外傷の場合ほど急に進行しないので,手術により血腫を除去すると,予後はよい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android