徒走り(読み)カチハシリ

デジタル大辞泉 「徒走り」の意味・読み・例文・類語

かち‐はしり【徒走り/歩走り】

乗り物を用いずに、足で走ること。
「―の苦しかりしをのみなむ」〈宇津保・国譲下〉
徒歩でついてゆく下級兵士。走り衆。
「はかばかしき―の一人をだにも具せざりけり」〈保元・中〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「徒走り」の意味・読み・例文・類語

かち‐はしり【徒走・歩走】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 馬、車など乗り物に乗らずに足で走ること。
    1. [初出の実例]「もし参ることあらば、かちはしりの苦しかりしをのみなん」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
  3. ( 馬や乗り物などで行く上級武士に対して ) 徒歩で従う兵士。走衆(はしりしゅう)
    1. [初出の実例]「乗替、郎等迄は思ひもよらず、はかばかしき歩走(カチハシリ)の一人をだにも具せざりけり」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)

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