得不避(読み)えさらず

精選版 日本国語大辞典 「得不避」の意味・読み・例文・類語

え‐さら‐・ず【得不避】

連語〙 (副詞の「え」と動詞の「さる(避)」の未然形と打消の助動詞の「ず」とが結び付いたもの)
① 避けたり、のがれたりできない。よんどころない。
(イ) 「えさらず」の形で副詞的に用いられる。
落窪(10C後)一「えさらずさぶらひ侍る御方よりも〈略〉仕うまつらまほしう侍れど」
(ロ) 「えさらぬ」の形で連体詞的に用いられる。
源氏(1001‐14頃)桐壺「えさらぬ馬道の戸をさしこめ、こなたかなた心を合はせてはしたなめわづらはせ給ふ」
② 捨てておけない。必要だ。たいせつだ。
(イ) 「えさらず」の形で副詞的に用いられる。
蜻蛉(974頃)中「えさらず思ふべき産屋のこともあるを、これすごすべしと思ひて」
(ロ) 「えさらぬ」の形で、連体詞的に用いられる。
※源氏(1001‐14頃)若菜下「大将母君を、幼かりしほどに見そめて、やむごとなくえさらぬ筋には思ひしを」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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