御佩郷(読み)みはかしごう

日本歴史地名大系 「御佩郷」の解説

御佩郷
みはかしごう

表記に従うならミハカシとよめる。刀剣を腰に帯びることを「はく」といい、その尊敬語「はかす」が名詞に転じた「みはかし」は刀剣の敬語形である。比定地として現加茂郡七宗ひちそう神淵かぶちがあげられる。神淵には御佩みはぎ山があり、神淵十郷の総社と伝える御佩神社がある。「神淵八十年史」は天暦八年(九五四)牟義公元綱が御佩郷中央に示を建てたこと、安貞元年(一二二七)にはそれを基に郷内を神淵・麻生あそう村君むらぎみ津保つぼの四邑に分けたという岸家の伝承を紹介している。しかし神淵地区は菅田すがた郷に含まれたとする説もあり(「美濃市史」など)、「和名抄」の郷配列が長良川およびその支流を中心とした水系別になされていると仮定できるなら、郡の最初に置くには板取いたどり川下流の牧谷まきだに八郷(現美濃市)に比定したほうがふさわしいとする説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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