精選版 日本国語大辞典 「御八」の意味・読み・例文・類語 お‐やつ【御八】 〘名〙① (「お」は接頭語。京、大坂では八つを本願寺の太鼓が告げるので「お」を冠した) 八つ時のこと。今の午前・午後二時頃から四時頃までの時刻。※浮世草子・武家義理物語(1688)二「待に日影もにしにかたふき、お八ツのしらせ太鞁(だいこ)うちぬれば」② 昔の時刻の八つ時に当たる、今の午後三時前後に食べる間食。また、一般に間食のこと。お三時。※俳諧・広原海(1703)一九「肩衣の鬼角をもぐお八時」[語誌](1)日本人の食習慣として、江戸の寛永頃(一六二四‐四四)までは朝夕二食が普通であり、日中八つ時前後に間食をとることがあった。ただし間食の意味で「おやつ」が使われる例は、すでに三食になっていた元祿期(一六八九‐一七〇四)以降である。(2)明治以後、時刻制度が変わって「お三時」という言い方が現われる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報