武家義理物語(読み)ブケギリモノガタリ

デジタル大辞泉 「武家義理物語」の意味・読み・例文・類語

ぶけぎりものがたり【武家義理物語】

浮世草子。6巻。井原西鶴作。元禄元年(1688)刊。身を犠牲にしても義理を立てようとする武士精神を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「武家義理物語」の意味・読み・例文・類語

ぶけぎりものがたり【武家義理物語】

  1. 江戸中期の浮世草子。六冊。井原西鶴作。貞享五年(一六八八)刊。武家社会に生まれた義理にまつわる話題を取り上げ、武家の心情行動中心にその心のありようを描く二七話から成る短編小説集。

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改訂新版 世界大百科事典 「武家義理物語」の意味・わかりやすい解説

武家義理物語 (ぶけぎりものがたり)

浮世草子。井原西鶴著。1688年(元禄1)刊。6巻6冊。短編小説集で27章26編を載せる。鎌倉時代から江戸前期に至る,武士を主人公にして,彼らの守るべき倫理たる義理を主題とする。古くは青砥藤綱を,新しくは1687年(貞享4)6月の大坂御堂前の敵討を記す。明智光秀が妻をめとる話,石川丈山と小栗なにがしとの交友話など,興味深い編が散見される。
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「武家義理物語」の解説

武家義理物語
ぶけぎりものがたり

浮世草子。6巻。井原西鶴(さいかく)作。1688年(元禄元)刊。おもに中国の説話を再構成し,武家社会の義理をテーマとした短編26話からなる。「男色大鑑」「武道伝来記」に続いて,武家社会における武士道の美を描こうとした作品で,衆道(男色)・結婚・敵討・克己・恥・堪忍など,多様な局面から義理をとらえるが,説話的興味にながれた章も多く,町人物に比べて高い評価は得ていない。「定本西鶴全集」所収

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武家義理物語」の意味・わかりやすい解説

武家義理物語
ぶけぎりものがたり

浮世草子井原西鶴作。6巻6冊。貞享5 (1688) 年刊。武士階級の道徳としての義理に殉じた武士の挿話 26話から成る。人間性を抹殺して一分の義理のためにのみ動く武士の非情な精神を冷静に描いたもので,いわゆる武家物の一つ。

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旺文社日本史事典 三訂版 「武家義理物語」の解説

武家義理物語
ぶけぎりものがたり

江戸中期,井原西鶴の浮世草子
1688年刊。6巻6冊。序に「まことある武士道の姿」とあり,義理に身をすてた武士の犠牲的精神を描いた26の説話からなる。『男色大鑑 (なんしよくおおかがみ) 』『武道伝来記』を経て到達した西鶴「武家物」の傑作。

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