御構・御搆(読み)おかまい

精選版 日本国語大辞典 「御構・御搆」の意味・読み・例文・類語

お‐かまい ‥かまひ【御構・御搆】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① もてなし。供応
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一六「どうぞお介意(カマヒ)なく」
② 心にかけること。とんぢゃく。顧慮。遠慮。かまい。おかまえ。
※浮世草子・世間子息気質(1715)二「商売の事をおかまひなく、御宿には尻がすはらず野郎狂ひに昼夜出ありき給へば」
手落ちつみ。とが。違法。かまい。
随筆・宝暦現来集(1831)九「外に子細も無之候ば、無御構段被仰渡然哉」
④ 江戸時代の刑罰の一つ。特定場所(御構之地、御構場)への立ち入りを禁ずる刑。追放。江戸御構、領分御構の類。
※俳諧・桃青門弟独吟廿歌仙(1680)仙松独吟「あみ笠をきて出づる化物 稲荷より御構ひありし身也とて」
⑤ 江戸時代、特定の職業につくことを禁ずること。公刑として行なわれる場合と、私刑として行なわれる場合がある。一宗構、一派構、神職構、奉公構の類。かまい。
⑥ 囲い。範囲。
御当家令条‐二三・土民仕置条々・寛永二〇年(1643)三月「一江戸惣御搆之内、木草并俵物等馬につけ、中に乗申間敷事」

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