御滑(読み)おすべり

精選版 日本国語大辞典 「御滑」の意味・読み・例文・類語

お‐すべり【御滑】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 天皇が位を退くこと。譲位
    1. [初出の実例]「亀山院の御位の比、めのとにて侍しもの、六位にまいりて、やがて御すへりにじょしゃくして大夫のしゃうげんといふもの、しかうしたるが」(出典:とはずがたり(14C前)三)
  3. 神仏供物や貴人の飲食物、所持品などのおさがりをいう女房詞。おふる。
    1. [初出の実例]「おすべりが局にさせる菖蒲酒〈正伯〉」(出典:俳諧・沙金袋(1657)夏)
    2. 「おすべりの此御膳、殿様の御機嫌を直した御褒美戴けと」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)六)
  4. 蒲団(ふとん)の異称。
    1. [初出の実例]「夜のしとねをば公家にてはよるのおましとも御すべりとも被申(もうさるる)由也」(出典:随筆・貞丈雑記(1784頃)三)
  5. すべり台の丁寧語。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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