譲位(読み)じょうい

精選版 日本国語大辞典 「譲位」の意味・読み・例文・類語

じょう‐い ジャウヰ【譲位】

〘名〙 君主がその位をゆずること。御国譲(みくにゆずり)
続日本紀‐天平宝字八年(764)九月壬戌「勅曰、今月廿八日覧大臣禅師譲位表、具知来意
大鏡(12C前)六「寛平延喜などの御譲位のほどのことなどは、いとかしこく忘れず覚え侍るをや」 〔淮南子‐精神訓〕

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デジタル大辞泉 「譲位」の意味・読み・例文・類語

じょう‐い〔ジヤウヰ〕【譲位】

[名](スル)天皇や君主がその位を譲ること。

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百科事典マイペディア 「譲位」の意味・わかりやすい解説

譲位【じょうい】

天皇在世中に位を譲ること。譲国とも。古くは皇位継承は天皇が没すると行われていたが,645年皇極(こうぎょく)天皇が孝徳天皇皇位を譲って以降,譲位が慣例となっていった。平安時代になると,譲位儀式即位儀式が分離する。1889年の皇室典範制定により,皇位継承は天皇が没した時に限られるようになった。→践祚

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世界大百科事典 第2版 「譲位」の意味・わかりやすい解説

じょうい【譲位】

皇位を譲ること。禅(ゆずり)を受けて皇位につくことを含める場合も多く,譲国ともいう。日本における皇位継承は,上古は天皇が没すると行われるのを常例としたが,645年大化改新に際し,皇極天皇が孝徳天皇に皇位を譲ってから,しだいに譲位が慣例化し,明治天皇まで87代中,56代の天皇が譲位受禅によって皇位についた(ほかに北朝に2例ある)。一方,平安時代の初めから皇位継承と即位の儀礼が分離し,清和天皇のとき制定された《貞観儀式》では,譲国儀と天皇即位儀が別個に規定された。

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普及版 字通 「譲位」の読み・字形・画数・意味

【譲位】じようい

位をゆずる。

字通「譲」の項目を見る

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世界大百科事典内の譲位の言及

【皇位継承】より

…平安・鎌倉時代には,いったん臣籍に降下したのち,さらに皇籍に復した例が数例あり,そのうち光孝の皇子定省(宇多)は皇位にのぼったが,やはり変則であろう。
[皇位継承の原因]
 上古の皇位継承は,天皇が没することによって行われたが,645年(大化1)皇極が孝徳に皇位を譲って譲位の例を開いてからは,明治まで87代中(北朝天皇を除く)56代の天皇が譲位によって皇位を継いだ。天皇譲位の場合には,皇嗣が禅(ゆずり)を受けて直ちに践祚(せんそ)するのを常例としたが,天皇が没した場合には,没時と践祚との間に時日を要した例も多く,ことに上古においては数年月を経ることもあった。…

【上皇】より

…譲位した天皇の称。太上天皇の略。…

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