御留焼(読み)おとめやき

精選版 日本国語大辞典 「御留焼」の意味・読み・例文・類語

おとめ‐やき【御留焼】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代藩主自分で使うため、または進物に用いるため以外には使用を禁じたかまで焼いた陶器。おとめがま。
    1. [初出の実例]「いんべやきを貴くせんとて豊太閤のただ一所にせられたるはお留焼(トメヤキ)とやいふべき」(出典随筆松屋筆記(1818‐45頃)六六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の御留焼の言及

【藩窯】より

…内容は多岐にわたり,鍋島藩窯(鍋島焼)をのぞいて,厳密に定義できないのが実状である。広義には,陶工・窯業を保護育成し,藩が援助したもの,藩主の什器などを焼かせた御用窯,藩の什器や贈答用品を専門に焼かせ,一般市場への出荷を禁じた御留焼(おとめやき),城内や江戸邸内に窯を築かせ,藩主みずからも手捏ね(てづくね)で茶器など焼いた御庭焼なども含めていう。 室町時代末期から茶道が隆盛を迎え,安土桃山時代には古田織部のように茶陶を指導する大名が現れたり,戦功の行賞に名品茶器をもってあてることなどが行われた。…

※「御留焼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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