一所(読み)ひとつところ

精選版 日本国語大辞典 「一所」の意味・読み・例文・類語

ひとつ‐ところ【一所】

〘名〙
※関戸本三宝絵(984)下「みなこれ仏けうのあまたのかどよりわかれいりて、おなじくぼだいのひとつ所にいたりあはむとするなり」
善心悪心(1916)〈里見弴〉「ボンヤリ一つ(トコロ)を見詰めてゐたが」
② 同じ事。同じ考え。
③ (「ところ」は接尾語) 「ひとり」を敬っていう語。おひとかた。ひとところ。
蜻蛉(974頃)中「つかひ、もてたがへて、いまひとつところへもていたりけり」

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デジタル大辞泉 「一所」の意味・読み・例文・類語

いっ‐しょ【一所】

一つの場所。ひとところ。1か所。
同じ場所。同所。「一所に会する」
一緒いっしょ」に同じ。
「兎も角も―に来て見ろと云うから」〈漱石坊っちゃん
一人」を尊敬していう語。→一緒
小松殿君達きんだち―向かはせ給ひて」〈平家・八〉

ひと‐ところ【一所/一処】

一つの所。同じ場所。ひとつところ。「―に落ち着けない性分
「ひとり」を敬っていう語。おひとり。おひとかた。
兵部卿の宮、なほ―のみおはして」〈・若菜下〉

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