御箱・十八番(読み)おはこ

精選版 日本国語大辞典 「御箱・十八番」の意味・読み・例文・類語

お‐はこ【御箱・十八番】

〘名〙
とっておきの、得意とする芸。
滑稽本玉櫛笥(1826)「ぐっと一番おはこを出して、わっといはせてかへりやした」
② 転じて、その人がよくやる動作やよく口にすることば。また、その人のくせ。
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「公債を書替へる極簡略な法、或は誰も知ってゐる銀行の内幕、またはお得意(ハコ)課長生計の大した事を喋々(てふてふ)と話す」
[補注]①は、「箱書き付き(=立派なものとして目利きによって承認された得意芸)」の意と、江戸中期に言われ始めた、当たり狂言を「十八番」と呼ぶ言い方が重なり、さらに七代目市川団十郎が市川家の得意な芸を「歌舞伎十八番」として公表したことに由来するか。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android