コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

公債 こうさい public debt

翻訳|public debt

7件 の用語解説(公債の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公債
こうさい
public debt

国や地方公共団体が,将来における元本と利子の返済を租税収入でまかなうことを条件に,原則として証券発行という方式で行なう借入金。ただし地方公共団体の発行する地方債については,交通・水道事業など公共料金でまかなわれるべき地方公営企業の建設費を調達する場合にも発行される。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵2015の解説

公債

国や地方自治体、あるいは政府関係機関などの借金、つまり公的債務のこと。社会保険などの行政債務や政府紙幣も広い意味での公債といえる。一般的には、経費調達を目的とする借金、すなわち財政債務で債務証書の形態をとる借金をいう。経費の調達は租税によって賄うのが原則であり、公債での調達は例外的にしか認められないのだが、現在では常態になっている。しかし、公債で調達してもいずれは租税で返済する必要があり、公債は租税の前取りといってもよい。公債は国が発行する国債と、地方自治体が発行する地方債に分けられるが、政府が債務を保証する政府保証債も準公債ということができる。国債には、償還期限が1年以内の短期債(例えば財務省証券などの政府短期証券)や1年を超える長期国債がある。

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

こう‐さい【公債】

国または地方公共団体が歳出の財源を得るため、また一時的な資金不足を補うために、国民などから借り入れる金銭の債務。また、その債券債務者が国の場合を国債、地方公共団体の場合を地方債という。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

百科事典マイペディアの解説

公債【こうさい】

一般的には国家や地方公共団体がその経費を支弁するために行う債務(財政公債)をおぎなうために発行する債券をいう。国家の債務には公債のほかに,供託金,郵便貯金,賠償など(行政公債)があるが,公債は経費を調達するための債務であるところに特徴がある。
→関連項目一時借入金外債公債依存度公社債債券整理公債登録公債

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. ご提供する『百科事典マイペディア』は2010年5月に編集・制作したものです

世界大百科事典 第2版の解説

こうさい【公債】

公債という言葉はいろいろに使われ,その意味するところは必ずしも明確でない。最狭義には国債と同義ないし区別せずに使われ,また国債および地方債の総称として使われる。いずれの場合も債券を通じての借入れpublic loan,または発行された債券そのものpublic bondを指す。民間の事業会社などが発行する民間債に対する用語である。広義には,国,地方公共団体がそれぞれ発行する前記の国債,地方債に加えて,公社,公団,公庫が発行する公社債,公団債,公庫債も含めて公債という。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

大辞林 第三版の解説

こうさい【公債】

国または地方公共団体が、債券の発行を通じて行う借金により負う債務。また、その発行された債券。国債および地方債の総称。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公債
こうさい

広義には政府がその経費の調達のために借入れを行うことから生ずる金銭債務をいうが、狭義にはそのうちの債券発行を通じて行う借入れ、または発行された債券そのものをさす。この場合の政府とは国のほか政府関係機関、地方公共団体などを含み、国債のほか、政府機関債、地方債も公債ということになり、公債は国債よりも広い概念と考えられる。しかしながら、財政法上は公債とは、国の金銭債務たる国債のうち借入金、一時借入金、政府短期証券以外の資金調達手段の一形態として考えられており、通常は償還期限1年以上の長期国債を意味している。本項では、この財政法上の公債を中心に説明することとする。[藤野次雄]

公債の分類

公債はいろいろな観点から分類されるが、代表的な区分には次のようなものがある。
(1)起債地による区分 公債を発行する場所による区別で、外国で発行されるものを外国債(外債)、国内で発行されるものを内国債(内債)という。
(2)償還期限による区分 公債の発行時点から償還時点に至るまでの期間の長短による区別である。大きく償還期限1年未満の短期公債と1年以上の長期公債とに分けられるが、最近は長期公債のうちの2~5年のものをとくに中期公債とよぶのが一般的になってきている。短期国債は日本では政府短期証券ともいい、一会計年度内の資金繰りのために発行されるもので、財務省証券(旧大蔵省証券)、食糧証券、外国為替(かわせ)資金証券の3種類がある。
(3)債券の形態による区分 利子の支払い方法によって、一定期日に一定の利子を支払うことを約束する利付公債、償還期限までの利子相当額をあらかじめ額面金額から差し引いて発行する割引公債、元利金の償還を割賦方式で行う割賦償還制公債に分けられる。
(4)発行目的による区分 国の収入となるもので、経費をまかなうために発行される普通公債と、支払い手段として発行されるもので、国の収入とはならない交付公債とに分けられる。
(5)発行根拠法による区分 財政法第4条に基づき公共的な事業の必要資金を得るために発行される建設公債(四条公債)、特例公債法(毎会計年度ごとに立法)に基づき歳入不足を補うために発行される赤字公債(特例公債、歳入補填(ほてん)公債)、国債整理基金特別会計法第5条に基づき既存の公債を新条件のもとに債務編成替えするために発行される借換(かりかえ)債などに区分される。[藤野次雄]

公債の多様化

現在、日本で発行されている公債には、国庫の資金繰りのために発行される政府短期証券を別とすれば、中期利付国債(償還期限2年、3年、4年)、割引国債(同5年)、長期利付国債(同6年、10年、15年、20年)がある。
 公債の種類をこのように多様化するのは、第一に、安定政策との関係である。公債発行額全体のなかで短期債、中期債、長期債の比率を変化させることにより、利子率および流動性に影響を与え、有効需要や国際収支、物価を調整することができる。第二に、財政利子負担を軽減するためである。利子率の期間構造が与えられたとき、相対的に低い利子率をもつ満期の公債を発行すれば、財政利子負担を最小化することができる。第三に、公債を円滑償還させ、市場を安定化させるためである。公債の需要者が特定の満期に選好をもっている場合、その選好に応じた満期の公債を発行することにより公債を円滑消化させ、その市場を安定化することができる。日本でこれまで公債の種類の多様化があまり進まなかった理由としては、財政利子負担最小化の目的は市場金利によるよりも規制金利体系に依存していたこと、専門的金融機関制度が存在し、民間金融機関の資金調達・運用手段と競合するのを避けたこと、などがあげられる。しかし、1977年(昭和52)からは割引国債が、翌1978年からは公募入札方式を導入した中期利付国債が発行され、公債発行の増加とともに、その円滑な消化を図るため、公債の種類と発行方式の多様化が進められるようになった。また、1981年6月公布の新銀行法により、銀行の付随業務として公債の窓口販売が認められた。[藤野次雄]

公債の発行方式

公債の発行方式は、大別して市中公募と中央銀行(日本の場合は日本銀行)引受けとに分けることができる。
 市中公募とは、市場において広く投資家の応募を勧誘する方法であり、直接公募と間接公募とがある。前者はさらに定率公募方式と公募入札方式とに分けられる。定率公募とは政府短期証券に採用されている方式であり、国があらかじめ一定の発行条件を公告して公債を発行する方式であり、応募額が発行総額に満たない場合は残額を日本銀行が引き受けることになっており、現実には発行条件が悪いので市中からの応募額は少なく、結果的には日本銀行引受方式に近いものになっている。公募入札とは、多数の応募者の入札により発行条件を定める方式であり、中期利付国債はこの方式で発行されている。間接公募とは、国が直接募集を行うことなく金融機関および証券会社などにより組織される国債募集引受団(シンジケート団)という仲介者が募集行為を引き受け、応募額が発行総額に達しない場合には残額をシンジケート団が引き受けるというものであり、中期割引国債および長期利付国債がこの方式で発行されている。
 中央銀行引受けによる発行方式とは、広く一般から応募者を募ることなく、中央銀行に引き受けさせる方式である。日本では第二次世界大戦前に日本銀行引受けによる公債乱発の結果、悪性の財政インフレーションを引き起こしたことに対する反省として、戦後は財政法で日本銀行引受けによる公債発行を禁じ(政府短期証券の場合を除く)、市中消化を原則としているので、現在この方式で発行される長期公債は存在しない。
 公債の発行方式が問題となるのは、第一に、公債がどの経済主体に消化・保有されるかにより、マネーサプライ(マネーストック)に対する効果が異なってくるためである。民間非金融部門が消化・保有する場合にはマネーサプライに対して中立的である。金融仲介機関の場合には、遊休資金があったり公債担保の日本銀行借入れができるなら、マネーサプライは増大する。日本銀行の場合には、公債と同額の現金通貨が増大する。公債の消化・保有主体によりマネーサプライが増減すると、利子率効果および流動性効果を通じて有効需要の水準に影響を与える。日本の公債消化・保有主体をみると、個人等非金融部門の保有割合は小さく、マネーサプライの管理自体は日本銀行の政策運営にかかっているが、マネーサプライに対して拡張的効果を及ぼす可能性が大きい。
 第二の問題は、国債発行の民間資金ないし投資へのクラウディング・アウト効果であり、一般に金利が固定される場合には、引受け方式のほうが公募方式よりも大きなクラウディング・アウト効果を生じる。
 第三の問題は、公募方式に比して引受け、とくにシンジケート団引受けの割当て方式がもたらす公債市場の不安定性と金融機関経営上の点である。公債をシンジケート団内で引き受ける場合のシンジケート団内での割当て方式は、かならずしも各金融機関ないし各業態の合理的資金調達・運用計画により導出されたものではないので、各金融機関は資金ポジションを調整する必要に迫られることが多い。[藤野次雄]

公債と金融政策

第二次世界大戦後の日本では、規制金利体系と間接金融優位のもとで銀行部門のオーバーローンと企業部門のオーバーボローイングが存在した。従来の金融政策は、このことを背景に公定歩合政策と窓口指導を中心にその有効性を保ってきたといえる。
 しかし、1975年以降、金融政策の有効性を支えてきた諸条件は変化してきた。企業部門は減量経営により自己金融力を高め、公共部門は大幅な資金不足となっている。大量の公債発行は、それ自体貨幣供給ルートの多様化であり、公債の多様化、公募入札の必要性は、金利の自由化を促す。他方、公社債市場の整備・拡大は、直接金融の増大要因となる。そのため従来のように、窓口指導を中心として銀行部門の対企業貸出を抑制するだけではマネーサプライをコントロールできなくなりつつある。今後は金利機能を活用しつつ、公開市場操作を通じてマネーサプライを管理する必要が生じてきている。[藤野次雄]

公債と負担

公債は租税と比べて、本来生産的用途に向かうはずの民間貯蓄を、非生産的用途に消費させるため民間資本形成を阻害し、将来所得を低下させるという見解(古典学派)がある。これに対して、公債は確かに民間部門で利用可能な資源を公共部門に振り向けるという意味で負担であるが、この負担は現在世代の負担であって租税と同様であるという批判(新正統派)や、将来の課税を合理的に正しく予想するならば、公債は課税の延期にすぎず、課税と本質的に同一のものであるという批判(合理的期待形成論)がある。さらに、現在世代は自発的に公債を購入するので負担はないが、将来世代は償還のため強制的に租税を支払わされるので負担があるという反批判も存在する。[藤野次雄]

日本における公債の歴史

明治政府は、不安定な財政収入のもとで日本の近代化を進めることとなったため、その資金源はいきおい公債に依存せざるをえなかった。最初の公債は1870年(明治3)に鉄道建設のためロンドンで募集された9分利付外国公債100万ポンドであった。1873年には旧幕藩から継承した債務処分のために新・旧公債1171万2000円を発行、以後、金禄(きんろく)公債、起業公債などが発行された。これらはいずれも高利で、償還期限も短く、財政上不利なものであった。これを整理するために、1886年には整理公債条例が公布され、低利・長期の公債への借り換えが進められた。
 明治中期以降になると、軍事費をまかなうための公債が急増してくる。まず日清(にっしん)戦争時(1894~95)には約1億1700万円の公債が発行された。ついで日露戦争(1904~05)のときには約15億8400万円の公債が発行されそのうちの半分以上がロンドン、ニューヨークなどで発行された英貨公債であった。これらの結果、公債残高が巨額に達したため1906年(明治39)3月に国債整理基金特別会計法が制定され、減債基金制度が確立した。また、同年4月に「国債ニ関スル法律」、5月に国債規則が制定され、公債についての基本法規が整備された。
 1914年(大正3)に第一次世界大戦が始まると、ふたたび公債が増発されるようになった。さらに大正末期から昭和初期にかけては、戦後恐慌(1920)、関東大震災(1923)、金融恐慌(1927)と続いたため、資本救済のための公債が発行され、1930年度(昭和5)末の公債残高は59億5580万円となった。昭和恐慌が深刻化し、さらに1931年9月に満州事変が勃発(ぼっぱつ)すると、恐慌救済と戦費の調達のために、公債の日本銀行引受け発行が開始された。これによって1935年度末には、公債残高は98億5430万円にまで増大した。ついで1937年に日中戦争、1941年に太平洋戦争に突入すると、公債の発行はとどまるところを知らず、終戦までに約1100億円に上る公債が発行され、1945年度末の公債残高は1408億1190万円に達し、国民総生産(GNP)を超過するような状態となっていた。
 第二次世界大戦後は、均衡財政主義の原則がとられ、1947年(昭和22)制定の財政法は公債の発行、日本銀行の公債引受けを原則として禁止した。これにより、交付公債などを除き、一般会計財源としての公債は発行されなかった。しかし、1965年度に、不況の深刻化による歳入不足を補うために特例公債法によって赤字公債が発行され、翌1966年度からは毎年度建設公債が発行されるようになった。
 1975年度以降には、第一次、第二次オイル・ショックに対処するため、大量の公債が発行され、1979年度には国債依存度は34.7%にも達し、財政の硬直化が懸念された。このため、1981年度は財政再建元年とされ、以降は予算編成上のゼロ・シーリング、マイナス・シーリングにより厳しい歳出抑制が図られ、1990年度(平成2)に当初予算で赤字国債はゼロとなった。しかし、1994年度からふたたび発行され始めており、国債発行残高も1996年度末で約240兆円、2000年9月末360兆円に膨らんでいる。[藤野次雄]

公債管理政策の変化

1985年度から国債の大量償還が始まったのを契機に、借換債の発行、1年未満の短期国債(TB)の導入がなされた。また個人消化の環境の整備として、金融機関による窓口販売の開始(1983年度)、ディーリングの許可(1984年度)が実施された。発行条件についても、長期国債の入札開始(1988年度)と入札部分の引上げ(1990年度)、短期国債の入札の開始(1988年度)が行われた。さらに、流通市場整備のために、1987年度には国債の売却制限を事実上撤廃するとともに、債券先物市場の創設(1985年度)、債券店頭オプションの開始(1989年度)、債券先物オプションの東証上場(1990年度)などの施策がとられた。[藤野次雄]
『館龍一郎他編『国債管理と金融政策』(1968・日本経済新聞社) ▽北村恭二編著『国債』(1979・金融財政事情研究会) ▽公社債引受協会編・刊『日本公社債市場史』(1980) ▽貝塚啓明他編『金融・証券講座 金融・証券市場の機能と役割』(1982・東洋経済新報社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の公債の言及

【公共債】より

…国債と地方債を総称して公債と呼ぶが,これにさらに公社・公団・公庫債(〈公社債〉の項参照)等を含めて公共債と呼ぶ。国と地方公共団体と政府関係機関等が公共部門を形成しているので,公共債は公共部門の債務ということになる。…

【公債の負担】より

…財政支出を租税ではなく公債によって賄った場合,その負担はどの時点で生ずるか,というのが〈公債の負担〉に関する議論であり,古くから経済学の大きな論争点の一つであった。 最も素朴な立場からすれば,利子支払や償還の際に財政支出が必要とされるから,その時点に負担が発生すると主張される。…

※「公債」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

公債の関連キーワード政府関係機関地方自治体地方自治体破綻法制政府保証債公共サービストップセールス役人公共劇場自治機関住民訴訟と地方自治体職員

今日のキーワード

トランスアジア航空

台湾・台北市に本拠を置く航空会社。中国語名は復興航空。1951年、台湾初の民間航空会社として設立。83年に台湾の国産実業グループに経営移管され、組織改編を実施した。92年に国際チャーター便の運航を始め...

続きを読む

コトバンク for iPhone

公債の関連情報