徳興里(読み)とくこうり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「徳興里」の意味・わかりやすい解説

徳興里
とくこうり / トクフンリ

朝鮮西部の南浦(なんぽ)直轄市にある一地域。高句麗(こうくり)の墨書のある古墳二つのうちの一つ徳興里壁画古墳の所在地として知られる。古墳は1976年12月8日、排水溝の工事中に発見された。古墳には広開土王(こうかいどおう)(好太王(こうたいおう))時代の永楽18年(408)の年記のある、14行154文字の墨書の墓誌がある。また被葬者(鎮(ちん))の生前の生活が壁画となっており、そこにも墨書がある。墨書には幽州(河北省)、薊(けい)(北京(ペキン))の中国地名があり、古代の朝鮮と中国の関係に大きな問題を提供した。

[魚 塘]

『朝鮮民主主義人民共和国社会科学院・朝鮮画報社編『徳興里高句麗壁画古墳』(1986・講談社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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