心の関(読み)ココロノセキ

デジタル大辞泉 「心の関」の意味・読み・例文・類語

こころ‐の‐せき【心の関】

思いが通じないで滞ることを関所にたとえていう語。
「憂き人の―にうちも寝で夢路をさへぞ許さざりける」〈新千載・恋二〉
心の中で念じてせき止めようとすることを関所にたとえていう語。
「惜しめどもとまらで過ぎぬほととぎす―はかひなかりけり」〈月詣集・四〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心の関」の意味・読み・例文・類語

こころ【心】 の 関(せき)

  1. 思うことが通されず滞ることを関所にたとえていう。
    1. [初出の実例]「都おもふ心のせきは清見がた浪まにつたふ岩の細道」(出典:寂蓮集(1182‐1202頃))
  2. 心の中で相手行動をせきとめようと思うことを、関所にたとえていう。
    1. [初出の実例]「惜しめどもとまらで過ぎぬ時鳥こころの関はかひなかりけり〈藤原頼輔〉」(出典:月詣(1182‐83)四)
  3. 人に対して心を許さないことを、関所を設けて守るのにたとえていう。警戒心
    1. [初出の実例]「かく御城内の人心、互ひに疑惑をいだき、目に見えぬ犬を放ち、心の関設くるかと存ずれば」(出典:桐一葉(1894‐95)〈坪内逍遙〉一)

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