心内膜床欠損(読み)しんないまくしょうけっそんしょう(その他表記)Endocardial Cushion Defect(ECD)

家庭医学館 「心内膜床欠損」の解説

しんないまくしょうけっそんしょう【心内膜床欠損(症) Endocardial Cushion Defect(ECD)】

[どんな病気か]
 心房(しんぼう)と心室(しんしつ)の間にある房室中隔の心房側だけが欠損している状態で、血液の流れ方は、心房中隔欠損と同じで(図「心房中隔欠損症」)、肺血流量が増加します。
 僧帽弁(そうぼうべん)に裂隙(れつげき)という異常をともなうため、僧帽弁の部分で逆流がおこり、病態を複雑にすることがあります。
 僧帽弁閉鎖不全の程度によりますが、幼児期に治療することが多いようです。
 なお共通房室弁口(きょうつうぼうしつべんこう)(「共通房室弁口」)を完全型心内膜床欠損、心内膜床欠損を不完全型心内膜床欠損と呼ぶこともあります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

世界大百科事典(旧版)内の心内膜床欠損の言及

【先天性心疾患】より

… 多因子性遺伝による場合のほかに,ヌーナン症候群やマルファン症候群などのような単一遺伝子による遺伝性疾患において,心臓病を合併しやすいことが知られている。また染色体異常であるダウン症候群(21トリソミー)では約50%の頻度で先天性心疾患を合併し,とくに心内膜床欠損を伴いやすい。13トリソミーや18トリソミーではさらに高率に心臓奇形を伴っている。…

※「心内膜床欠損」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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