心劣(読み)こころおとり

精選版 日本国語大辞典 「心劣」の意味・読み・例文・類語

こころ‐おとり【心劣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 予想よりも劣っていると思われること。幻滅を感じること。見劣り期待はずれ。
    1. [初出の実例]「いと見にくき人どもなれば、御覧ぜんから御心をとりやせむと恥づかしくてなむ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨院)
    2. 「めでたしと見る人の、こころおとりせらるる本性みえんこそ、口をしかるべけれ」(出典:徒然草(1331頃)一)
  3. 意気がくじけて元気がなくなること。気おくれすること。気がひけること。
    1. [初出の実例]「口をしくおぼし捨つべきにはあらねど、いと、いとほしく心をとりし給らんとおぼゆ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
    2. 「河守の此在さまに、心劣りせられて」(出典:読本・春雨物語(1808)宮本が塚)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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