忍の一字(読み)にんのいちじ

故事成語を知る辞典 「忍の一字」の解説

忍の一字

忍耐こそが、すべてのものごとをうまく行うもとである、ということ。

[使用例] 私も姑の苦労はしたつもりやけれども、なんというても旦那さんを産んでおくれたおひとやよってに、忍の一字があるのみやと思うてましたえ[有吉佐和子華岡青洲の妻|1966]

[由来] 一一~一二世紀、ほくそう王朝の時代の中国の文人りょほんちゅうの「かんしん」という文章から。官僚として働く際の心得の一つとして、「忍の一事は、しゅうみょうの門(忍耐というただ一つのことから始めるだけで、さまざまなものごとを絶妙に行うことができる)」と述べています。原文では「一事」ですが、日本では「一字」としてよく使われます。

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