精選版 日本国語大辞典 「一事」の意味・読み・例文・類語 いち‐じ【一事】 〘 名詞 〙① 一つの物事。一つの事柄。[初出の実例]「凡諸門出レ物。无レ牓者。一事以上。並不レ得レ出。〈謂。一事猶二一物一〉」(出典:令義解(718)宮衛・諸門出物条)「今生の望一事も残る処なし」(出典:平家物語(13C前)六)[その他の文献]〔白居易‐除夜寄元微之詩〕② 一つの事件。また、有事。[初出の実例]「小柴の掃部勝重とて、都伏見の中納言殿に公家奉公して罷在る。一事の力共成申さん」(出典:浄瑠璃・大磯虎稚物語(1694頃)道行)③ 弓一張、また、矢五〇本の称。[初出の実例]「凡儀仗軍器。十事以上。〈謂。弓一張。箭五十隻。各為二一事一〉」(出典:令義解(833)宮衛) ひとつ‐こと【一事】 〘 名詞 〙① 一つの物事。一つの事柄。[初出の実例]「このひとつ事にてぞこの世の濁りをすすい給はざらむと」(出典:源氏物語(1001‐14頃)朝顔)② 同類のこと。同様な事柄。[初出の実例]「自堕落と薬帯なしは、〈略〉本一つ事也」(出典:浮世草子・人倫糸屑(1688)自堕落) ひと‐こと【一事】 〘 名詞 〙 一つのこと。一つの事柄。ひとつこと。ひとふし。いちじ。[初出の実例]「ひとこととしておろそかに軽め申し給ふべきには侍らねば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例