忍駒(読み)しのびごま

精選版 日本国語大辞典 「忍駒」の意味・読み・例文・類語

しのび‐ごま【忍駒】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 三味線の特殊な駒で、音を他の人に聞こえないようにするためのもの。両側胴木の上に渡した細長い駒。歌舞音曲停止令の出た期間や、午前二時すぎの郭などで用いられた。材質は桑が普通。
    1. [初出の実例]「爪音しめやかにしのびごまして、さうがしほらしく聞えけるを」(出典:浮世草子・新御伽婢子(1683)三)
  2. [ 2 ] 地唄。油屋茂作・高砂市蔵作詞。峰崎勾当(こうとう)作曲寛政一七八九‐一八〇一)頃の作品。唄い出しは「口切りの」。夜、恋人を待つやるせなさをうたったもの。立聴き。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android