志和堀村(読み)しわほりむら

日本歴史地名大系 「志和堀村」の解説

志和堀村
しわほりむら

[現在地名]東広島市志和しわ町志和堀

北は金明きんめい山、南は生城おうぎ山、西は安駄あんだ山、東も標高四〇〇―五〇〇メートルの山に囲まれるが、志和盆地を流れるせき川と生城山東側を流れるひがし川が村内で合流し、一帯にかなりの平地を形成。賀茂郡の北端の地にあたり、北は豊田郡上竹仁かみだけに(現賀茂郡福富町)・高田郡有留ありどめ(現高田郡向原町)にそれぞれ接する。

天野求馬家譜(「閥閲録」所収同家文書)によると、天野政貞は南北朝初頭新田義貞に属して転戦、義貞の死後安芸に下り「志芳堀庄」に住して、同所三五〇貫を後村上天皇から安堵されたという。志芳堀しわほり庄の称は疑問が残るが、この頃堀とよばれていたことは認められよう。「芸藩通志」は「古は保利とも書く、祝師の居たるを以て村名となりしや」とする。安芸に下った天野氏には政貞とその従弟顕義の両家があり、顕義は志和東しわひがし米山こめやま城に拠って東村地頭であったが、政貞は西村地頭職で拠城は当地の金明山きんめいざん財崎さいざき両城と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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