東広島市(読み)ヒガシヒロシマシ

デジタル大辞泉 「東広島市」の意味・読み・例文・類語

ひがしひろしま‐し【東広島市】

東広島

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「東広島市」の解説

東広島市
ひがしひろしまし

面積:二八五・三一平方キロ

広島県中南部に位置し、旧賀茂郡の北半を中心に昭和四九年(一九七四)に成立した。市域は地勢上南部の西条さいじよう盆地、北西部の志和しわ盆地、北東部の高屋たかや盆地に大別できる。県最大の広さをもつ西条盆地は五〇〇―六〇〇メートル級の山で囲まれ、平均標高二一〇メートル。中央に比高一〇〇メートル前後の山が点在し、北部谷奥の並滝寺なみたきじ池に発する黒瀬くろせ川が支流を集めて南流、賀茂郡黒瀬町に抜ける。志和盆地は南西の山から北流して三篠みささ川に注ぐせき川沿いの細長い谷で、標高二一〇―二五〇メートル。西に七〇〇メートル級の山が連なり、東に生城おうぎ(四八五・四メートル)がそびえる。この東をひがし川が北流して志和堀しわほりで関川に合流する。西条盆地北東に続く高屋盆地はまとまった平地はなく、五〇〇メートル級の山で囲まれたなかに、東流して沼田ぬた川に注ぐ入野にゆうの川とその支流が形成する浅い河谷と低丘陵が複雑に入組む。丘陵頂部の標高はほぼ二五〇メートル、谷底との比高五〇メートル以下。

〔原始・古代〕

弥生時代以前の遺跡にはみるべきものが少なく、主なものとしては高屋町杵原の西本きねはらのにしもと遺跡群(弥生中後期住居跡)、同町高屋東の鍵向山かぎむかいやま石棺群(弥生後期)八本松はちほんまつ飯田いいだ藤が迫ふじがさこ遺跡群(弥生後期土壙墓群)などがあるにすぎない。古墳では前期古墳に属する五世紀前半の白鳥しらとり古墳が古く、次いで五世紀中後期には県下最大の前方後円墳である三ッ城みつじよう古墳をはじめ、高屋町の木原向山きはらむかいやま古墳群・千人塚せんにんづか古墳、西条町のスクモ塚古墳群などが築かれた。三ッ城古墳の被葬者が「国造本紀」にみえる阿岐国造かどうかは説が分れるが、当地域を支配した国造級の豪族には違いない。後期古墳に属するものは西条盆地北縁部や八本松町飯田、高屋町の丘陵上などに多数みられ、小地域の支配者が分立してきたことを示す。江戸時代当地方で「火の釜」(国郡志下調郡辻書出帳)とよんだのはその横穴式石室の露出したものである。

三ッ城古墳やその北北東二キロにある安芸国分寺の存在などから、安芸国府は当初ここに置かれたとされるが、近年の研究では、周防との国境も定まらず、専任の国司もいない八世紀初頭の安芸においては国府は名目にすぎず、律令支配が本格的に安芸に及ぶ天平(七二九―七四九)以後に現安芸郡府中ふちゆう町に国府が置かれたとする説も出されている。しかし、西条盆地に優勢な政治勢力が存在したのは事実で、この子孫が「三代実録」貞観元年(八五九)四月三日条にみえる「賀茂郡凡直氏」であり、九世紀に至ってもその命脈を保っていたことが知られる。


東広島市
ひがしひろしまし

2005年2月7日:東広島市が豊田郡安芸津町、賀茂郡豊栄町福富町河内町・黒瀬町を編入
【安芸津町】広島県:豊田郡
【豊栄町】広島県:賀茂郡
【福富町】広島県:賀茂郡
【河内町】広島県:賀茂郡
【黒瀬町】広島県:賀茂郡
【東広島市】広島県

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東広島市」の意味・わかりやすい解説

東広島〔市〕
ひがしひろしま

広島県中南部,西条盆地と沼田川の中・上流域に広がる市。広島市の東に接し,南部は瀬戸内海に臨む。 1974年西条町,八本松町,志和町,高屋町の4町が合体して市制。 2005年黒瀬町,福富町,豊栄町,河内町,安芸津町を編入。中心市街地の西条は酒造業の中心で,かつて安芸の国府が置かれ,江戸時代には宿場町として発展。第2次世界大戦後は,広島市からの工場や住宅の進出が著しく,広島大学の一部も移転。西部の八本松には工業団地の造成で自動車部品や弱電機工場が立地し,自衛隊の演習場がある。東部の高屋には自動車工業のニュータウンが造成されたが,そのなかの白市は古い市場集落である。北西部の志和地区は三篠川の支流関川の小谷にある農業地域。周辺の農村部では米作やブドウ,野菜などの栽培が行なわれ,酪農や畜産も盛ん。瀬戸内海沿岸ではカキの養殖を行なう。西条に安芸国分寺跡,三ッ城古墳,鏡山城跡 (すべて国指定史跡) がある。東部は竹林寺用倉山県立自然公園に属する。市域中央部を山陽自動車道が,南部を山陽新幹線が横断,JR山陽本線,国道2号線,375号線などが通じる。面積 635.16km2。人口 19万6608(2020)。

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