思ひ掛く(読み)オモイカク

デジタル大辞泉 「思ひ掛く」の意味・読み・例文・類語

おもい‐か・く〔おもひ‐〕【思ひ掛く/思ひ懸く】

[動カ下二]
予測する。
「浅茅原はかなく置きし草の上の露をかたみと―・けきや」〈新古今哀傷
恋い慕う。恋しく思う。
「男、―・けたる女の、えまじうなりての世に」〈伊勢・五五〉

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精選版 日本国語大辞典 「思ひ掛く」の意味・読み・例文・類語

おもい‐か・くおもひ‥【思掛・思懸】

  1. 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. ある事を心にとめる。気にかける。また、前もってこうなるだろうと考える。予想する。
    1. [初出の実例]「冬ごもり思かけぬをこのまより花とみるまで雪ぞふりける〈紀貫之〉」(出典:古今和歌集(905‐914)冬・三三一)
    2. 「若きにもよらず、強きにもよらず、思ひかけぬは死期(しご)なり」(出典徒然草(1331頃)一三七)
  3. 恋しく思う。懸想(けそう)する。慕う。
    1. [初出の実例]「昔、いやしからぬをとこ、我よりはまさりたる人を思かけて」(出典:伊勢物語(10C前)八九)

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