思切(読み)おもいきり

精選版 日本国語大辞典 「思切」の意味・読み・例文・類語

おもい‐きりおもひ‥【思切】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. もうこれ以上しかたがないと考えること。ものごとを決断すること。また、あきらめぐあい。
      1. [初出の実例]「敵の詞になびかぬすすきほに顕(あらは)れし思ひ切」(出典浄瑠璃・聖徳太子絵伝記(1717)三)
    2. 思い切って安くすること。
      1. [初出の実例]「現金の取引する処大略三割方の思(オモ)ひ切(キリ)あり」(出典:最暗黒之東京(1893)〈松原岩五郎〉三五)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 徹底的に。おもうぞんぶん。
    1. [初出の実例]「さうして二人で抱き合って思ひきり泣いたのよ」(出典:第三者(1903)〈国木田独歩〉一三)

おもいっ‐きりおもひっ‥【思切】

  1. 〘 副詞 〙 「おもいきり(思切)」を強めた言い方。思うぞんぶん。力いっぱい。
    1. [初出の実例]「そんな処は泥水がたまってゐるので、その度に思ひっ切り泥をはねあげて、顔までかかった」(出典:防雪林(1928)〈小林多喜二〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android